近年、注目されているVTuber。企業とVTuberがタイアップするなど広告としても利用されはじめ、さまざまな所で目にする事が増えてきています。企業の中には、自社でVTuberを制作し、運用しているケースもあります。
新たなプロモーション方法として注目されるVTuberですが、マーケティングにVTuberを採用するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
そこで今回は、VTuberマーケティングを取り入れるメリットや実際にVTuberマーケティングを取り入れて成功した企業の例をご紹介します。
VTuberとは
バーチャルユーチューバー(Virtual YouTuber)のことを「VTuber」といいます。名前の通り、2Dまたは3Dの仮想のキャラクターを利用して動画を投稿している人たちのことです。
キャラクターのかわいさや、見た目と中身にギャップがあることから人気を集めています。
VTuberは決められたセリフではなく、動画配信などを通じてリアルタイムで話すこともあるため、仮想のキャラクターではあるもののそのリアリティで、身近に感じられる方が多いようです。
VTuberマーケティングとは
VTuberを起用して、SNSや動画配信などを利用しプロモーション活動を行うことを指します。商品やサービスの認知拡大・購買につなげる施策の1つとして企業で採用されています。
VTuberマーケティングを取り入れるメリット
VTuberマーケティングは、メリットがあるため、採用されています。
1.キャラクターを通してブランドを知ってもらえる
企業が、VTuberを利用することで、自然とブランド認知が広がる点がメリットとして挙げられます。
人気のあるVTuberが動画内で商品紹介をすれば、VTuberの発信力を利用して認知度をアップさせること可能です。
特にYouTubeは全世界に配信することができるため、英語翻訳などをつけることで日本国内だけにとどまらず世界にも自社ブランドを認知してもらうことができます。
2.動画からの収益を見込める
YouTubeは広告などを利用して、配信者に収益が入る仕組みがあります。自社商品やサービスなどの売り上げの向上が見込めるのはもちろん、動画からの収益も見込めます。
ただし、収益には再生数やチャンネル登録者数などが関係しているといわれているため、多くの人に見てもらえるようなコンテンツの配信が必要です。
3.さまざまなメディアでの展開が可能
Vtuberを制作することで、YouTubeだけではなく、他のSNSでも活用することができます。さまざまな媒体から、自社の商品のファンをさらに獲得することができるでしょう。
4.若い世代へのアプローチができる
VTuberは、Z世代といった若年層のファンが多い傾向にあります。そのため、VTuberをマーケティングに採用することで若い世代へアプローチすることが可能です。
5.コアなファンを増やすことができる
VTuberは、独自の魅力を持つことから、コンテンツやプロモーションも魅力的なものにつながりやすいです。そのため、コアなファンが増えやすい傾向にあります。
VTuberマーケティングを行うデメリット
VTuberマーケティングは、メリットがある一方でデメリットもあります。
1.初期費用や人件費がかかる
キャラクターデザインの決定や、キャラクターを2Dや3D化するにあたり、コストがかかります。
他にも、VTuberの声や動きを担当するキャストなどを決めなければなりません。VTuberを制作するにあたり、初期費用や人件費にコストがかかります。
2.ターゲットによっては合わない
VTuberを見る年齢層はほとんどがスマホを持つ比較的若い世代で、かつインターネットでの動画配信を好んでみているユーザーに限られます。
商品のターゲットがスマホを持っていない世代、テレビを中心としている世代には向かないマーケティング方法です。
3.炎上リスクがある
VTuberは顔出しをしないため、スキャンダルが起こりにくいとされています。
しかし、動画内やSNSなどの投稿内容によっては炎上してしまう恐れもあります。
近年はVTuberへの関心が高まり、VTuberを演じる中の人のスキャンダルも取り上げられはじめています。動画内やSNSなどの投稿内容は、よく確認することが重要です。
VTuberマーケティングの成功例
ここからは、 VTuberを活用したマーケティングの成功例をご紹介します。
燦鳥ノム(さんとりのむ)
大手飲料メーカーのサントリーが作成したVTuberです。企業オリジナルのVTuberですが、商品紹介をする動画はあまりなく、ゲーム実況や歌ってみたなどを投稿しています。
他のVTuberと変わらない内容を投稿していることから、ファンからも好意的な意見が寄せられています。
直接的な宣伝効果はないものの、サントリーのVTuberということで、間接的な宣伝効果があったとされています。
からあげクン
ローソンのキャラクターであるからあげクンをVTuber化。これは、もともとある自社キャラクターをVTuberにした事例です。
他のVTuberとのコラボ動画も上げていて、商品であるからあげクンを絡めたキャンペーンも実施しています。
根羽清ココロ(ねばせい こころ)
ロート製薬の公式キャラクターである、VTuberです。ロート製薬でスキンケアの研究をしていて、ときどき広報活動も行っています。
You Tubeの動画では、製品の紹介だけではなく歌ってみたなどの一般的なVTuberコンテンツも配信されています。
N子・メイ・黒野
動画配信サービスを提供しているNetflixでは、オリジナルのVTuberを制作しています。中の人は、日本法人の社員が行っているといわれています。
世界中に広がるアニメファンとの交流を目的として、You Tubeでコンテンツを配信しています。
VTuberマーケティングにかかる費用相場
VTuberマーケティングを行う場合、まずはVTuberキャラクターの制作から行います。ここでは、VTuberの制作からコンテンツ制作にかかる費用の相場をご紹介します。
初期費用
・キャラクター制作費
制作会社に依頼した場合は、12万円程度が相場です。それ以上かかるケースもあります。また、個人(フリーランス)の方に依頼する場合は、数万円でできることもあります。
・イラスト・ロゴ制作費
SNSやYou Tubeなどに使用するイラスト・ロゴなど制作を依頼する場合は費用が発生します。
アイコン制作であれば5万円から、チャンネルロゴであれば10万円が相場となります。
この相場価格は制作会社に依頼した場合の金額で、個人に依頼する場合は5,000円程度から制作してくれる場合もあります。
・機材費
自社で制作する場合はパソコンやWebカメラ、動きをトラッキングする場合はVRベッドセット、マイクなどの機材が必要です。
他にも、動画を制作するための動画編集ソフトも用意しなければなりません。
機材類すべて合わせた相場価格は30万円程度。機材により価格は異なるため、予算と行いたい活動を考えながら取捨選択をすると良いでしょう。
顔の動きだけ動きをトラッキングする場合は、webカメラ(もしくはiPhone)とマイクという最低限の機材で済む場合もあります。
都度発生する費用
・コンテンツ制作費
活動に際して投稿する動画には制作コストがかかるケースがあります。
どんなコンテンツを作成するかによって金額の相場が異なりますが、歌ってみた動画については音源の制作で5,000円~30,000円、MIX編集で10,000円、併せて動画の作成を依頼する場合は相場で10,000円~40,000円です。
収録でスタジオを使用する場合は、スタジオレンタル費用5,000円~10,000円ほど発生します。
・キャラクターの変更などに伴う費用
衣装などを変更する場合はその都度費用がかかります。
価格は10,000円~で受けてくれるケースが多いです。個人への依頼も数千円のケースがほとんどです。
・人件費
VTuberの声や動きを担当するキャストや撮影スタッフ、動画を編集できる方などを用意する必要があります。
中の人を決める場合は、オーディションを行ったりキャスティングをしなければなりません。そのための費用が発生します。
自社のVTuberを作るには
VTuberの制作の流れを見ていきましょう。
キャラクターのコンセプトや性格を決める
VTuber化させるキャラクターのコンセプトや性格を決めます。既存キャラをVTuberにする場合は、さらにキャラクターの性格を掘り下げていくと良いでしょう。
企業イメージを伝えるキャラクターデザイン
・既存キャラを使用する場合
既存のキャラクターを使用する場合、元のデザインからVTuber化させます。
・新しくキャラクターを作る場合
決定したキャラクターのコンセプトや性格を実際のキャラクターに反映していきます。VTuberとしての顔となるため、細かく希望を伝えることが大切です。
- キャラクターモデリング
キャラクターを作成したら、モデリングを行います。モデリングは、2D(Live2D)または3Dのどちらかで作成します。
- 2D(Live2D)
2Dにする場合、基本的にイラスト制作ソフトで「パーツ分け」をしたイラストを作成し、Live2Dを使用してモデリングをします。
- 3D
Blenderなどの3Dモデリングソフトを使って3DのVTuberを作成します。最近であれば無料ソフトのVRoid Studioなども人気です。
よくあるパターンとしては、はじめは2Dモデルで作成し、チャンネル登録者数が一定数を超えたら3D化するという流れもあります。
目標を決めて達成することで3D化が叶うと、ファンも応援しがいを感じるでしょう。
VTuber活動に必要なものを用意する
動画配信を行う上で、さまざまな素材が必要です。
・名前ロゴやオリジナルの配信画面
ロゴや配信画面はフリー素材を使うこともできますが、オリジナルのロゴや配信画面だと独自性をアピールできるでしょう
。企業名やサービス名、商品などを入れることでブランディングにつながります。
・キャスティング
動作をつけるためにも、VTuberを演じる、いわゆる「中の人」のキャスティングが重要です。
外部から契約する場合は、継続させていくためにも綿密な打ち合わせを行う必要があります。
また、VTuberのキャストが変更した場合は、声や仕草などにあまり変化がないよう工夫しなければなりません。
VTuber制作を依頼する方法
VTuberの制作依頼は、制作会社だけではなく個人で請け負っていることもあり、どちらかを選ぶことができます。
個人に依頼するメリット・デメリット
個人に依頼する場合、フリーランスの方が利用しているお仕事募集サイトなどを経由します。
個人の方に頼むメリットは、制作会社よりも低コストで依頼できるという点が大きいです。
ただし、クリエイター個々人のスケジュール感に依存する関係で、柔軟なスケジュール調整は難しいというデメリットがあります。
また、病気や家庭の都合などで対応ができなくなってしまう場合もあります。権利関係のことでトラブルになる可能性もあり得ます。
依頼する方によってクオリティや作成方法が異なることもあります。
修正や衣装変更など行う場合は同じ方に依頼する必要があり、長い間対応してくれる方を見つけなければなりません。
制作会社に依頼するメリット・デメリット
個人に依頼するよりもコストがかかる点がデメリットといえるでしょう。
しかし、権利関係のことを依頼時に契約として決められたり、ある程度の人数やチームで動くためスケジュールが調整しやすいというメリットがあります。
修正や衣装変更などにも対応してくれることが多く、長期間Vtuberを運用していくなら制作会社に依頼するのがおすすめです。
VTuberマーケティングをする上での注意
VTuberマーケティングにおける注意点をご紹介します。
炎上リスクへの備え
VTuberへの注目が年々高まっている背景もあり、ふとしたSNSなどの些細な発言から炎上してしまうことがあります。
またプライベートアカウントの投稿を誤爆することが原因で批判が殺到するケースも見受けられます。
活動する際は、外から批判されやすいテーマなど言動にリスクがあることを理解しておくことが必要です。
SNSで不適切な発言を起こさないよう、ソーシャルメディアポリシーなどのルールを決めておくことも重要です。
また動画を投稿する前に、不適切な発言はないかどうか、必ずチェックしましょう。企業に属する個人とSNSのかかわり方を定義することで炎上を抑止することにつながります。
二次創作におけるガイドラインの用意
人気VTuberが所属する大手事務所では、二次創作についてのガイドラインを制定しています。
二次創作とは、ファンがキャラクターを漫画化したりフィギュア化したり、二次的に創作したものを指します。
VTuberが所属する事務所では、二次創作について、個人または法人格を持たない団体であれば、誰でも二次創作を楽しんで良いというガイドラインを制定しました。
二次創作において、創作した側に利益がもたらされた場合、VTuberを作成した企業は利益面で損をすることがあります。
こうして、VTuberを制作する際は、二次創作のガイドラインを制定し、YouTubeの概要欄やSNSに貼付しておきましょう。
ジーアングルならVTuberの作成からコンテンツ制作も対応可能!
ジーアングルではVTuberの制作を行っています。
キャラクターデザインから三面図、2Dモデリング・3Dモデリングはもちろん、配信にかかわるコンテンツ作成まですべてサポートいたします。
既存のキャラクターもVTuberにすることが可能で、多くのクリエイターが在籍しているジーアングルではさまざまなジャンルやテイストに合わせた制作を行います。
企業のマーケティングとして、自社VTuberを制作したいとお考えであれば、ぜひご相談ください。
まとめ
今回は、自社VTuberをマーティングに活用するメリットや、VTuberの制作費用、制作依頼のメリットについてご紹介しました。
昨今VTuberは注目を集めていることから、自社VTuberを制作し動画配信を行っていくことで、商品ブランドの認知が広がると考えられています。
動画だけではなく、他のSNSへの展開も可能なため、SNSを使ったマーケティングにも活用することが可能です。
より多くの人に、自社商品・サービスを広めたいとお考えであれば、自社VTuberをマーティングに活用してみてはいかがでしょうか。