こんにちは!
幅広い制作領域を武器に「新たな驚きと感動を作る」制作会社ジーアングル ブログ編集部です。
商品・サービスをはじめとして、それらを打ち出す企業自体の認知度向上や採用・組織作りのためなど、あらゆる場面で重要視されているブランディング。
20年以上にわたり若年層向けコンテンツを作り続けてきた経験に着目いただいた企業、地方自治体、教育機関のご担当者様から「クリエイティブでブランディング課題を解決したい」とのご相談を多くいただいています。
そこで今回はブランディングとは何なのか、その目的からブランディングを行うメリットと注意点、クリエイティブによる成功事例をご紹介します!
ブランディングとは?
そもそもブランディングの語源は、家畜が財産だった時代に、放牧している家畜を他所の家畜と区別するための「焼き印をつける(Brandr/ブランドル)」という言葉から来ています。
そんな焼き印は、時代の流れとともに味や品質を表す「Brand/ブランド」という言葉に変わっていきました。
つまりブランディングとは、企業・商品に独自の価値や個性を与え、消費者の心の中に特別な位置づけを確立することで、他社との差別化を図る取り組みを意味します。
単なる商品やサービスの提供ではなく、ブランドを通して顧客との長期的な関係性を築き、持続的に他社との優位性を確保することで、企業の成長に繋げることを目的としています。
「顧客との約束」であり、「企業(商品)そのもの」を端的に表すことがブランディングなのです。
ブランディング・ブランド構築に必要な要素
ブランドを構築する要素には以下のようなものがあります。
- ブランド名
- ブランドカラー
- ブランドロゴ
- ミッション/キャッチコピー
- 国
- 特徴/強み
- 広報キャラクター
ただし上記の要素だけではブランドは構築できません。一貫性のあるメッセージとターゲットへの深い理解が不可欠です。
そして、ブランドロゴ・カラーなどのビジュアル要素はもちろん、コミュニケーションや接客、サービス内容など、あらゆる顧客接点で一貫性を保つことが重要です。
ブランディングには3種類ある
一口にブランディングといっても、その目的やターゲットによって「インナーブランディング」「商品・事業ブランディング」「採用ブランディング」という、大きく分けて3つの方向性があります。
これらは、ターゲットや目的・狙いが異なるため、とるべき戦略や手法が大きく変わります。
自社の置かれた状況や設定したゴールに合わせて、これら3種類のどれが適しているのかを選び、時に組み合わせながら最適なブランディングを行うことが鍵となります。
インナーブランディング
インナーブランディングは、自社の社員などの内部関係者に対して、自社ブランドの価値や意味を深く理解させることを目的とした、企業文化づくりともいえるブランディングです。
社内の結束力を強め、社員一人ひとりが「ブランドの一部」であるという意識を持つことで、顧客へのサービス品質向上といった組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。
ブランドとは「顧客との約束」であり「企業(商品)そのもの」ですから、社員ひとりひとりが顧客に対する約束を実行していくことができれば、より顧客からの信頼を得ることができるでしょう。
商品・事業ブランディング
ブランディングと聞いて商品・サービス・事業のブランディングを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
自社商品・サービスの独自価値を訴求することでブランドイメージを確立、他社と差別化し、その商品自体や事業の成長につなげるのが商品・事業ブランディングです。
特徴的なパッケージデザインや機能による印象付けだけでなく、商品・サービスの提供する価値や体験の訴求も重要です。
ターゲットの意思決定時に他社より優位に立つことができ、その商品・サービスのリピートやファンの獲得を期待できます。
採用ブランディング
採用ブランディングは、企業のブランド力を高めることで求職者を惹きつけ、自社を選んでもらえるよう働きかけるブランディングです。
ターゲットとなる求職者が「この会社で働きたい」と感じる要素を探り、時に斬新な手法で企業のビジョンや価値観を共有・発信することで、優秀な人材を引き寄せます。
採用したはいいものの定着率が低くてはいけません。入社後も所属企業という「ブランド」に誇りを持てる環境を整え、従業員が成長できる環境を提供することも大切です。
企業の持続的な発展に不可欠な「社員」という基盤を築く意味では、前述のインナーブランディングと深い関りがあるといえます。
ブランディングとマーケティング、プロモーションの違い
ブランディングについて考える際に「プロモーション」と混ざってしまったり、「マーケティング」戦略との関わりが気になった方も多いのではないでしょうか。
実際にブランディング、マーケティング、プロモーションは一緒に語られることが多く、密接な関係にありますが、その役割は異なります。
- ブランディング
企業や商品に独自の価値を築くための活動。ファンを作るための取り組みともいえる。 - マーケティング
売れる仕組みを作るため、の総合的な活動。
ブランディングと比べ、セールス的思考で取り組む場合も多い。 - プロモーション
商品やサービスの認知度を高め、購買意欲を刺激する活動。
ブランディングやマーケティング戦略を支える一要素といえる。
マーケティング戦略を立てる際や、プロモーションを打つ場合の基盤となる「企業や商品・サービスのイメージ作りによる差別化」がブランディングであり、企業の長期的な成長に貢献します。
「売れる仕組みを作る」という意味では、マーケティング戦略の下で「ファンを作る」ためのブランディングが行われることも考えらえます。
ブランディングのメリット・注意点
ブランディングそのものの定義などを解説しましたが、ここではブランディングによるメリット、ブランディングを考えるうえでの注意点に触れていきます。
ブランディングのメリット
ブランディングのメリットには主に、以下の3点があります。
①顧客の信頼獲得→広告宣伝費の削減
強力なブランドイメージは、顧客が企業や商品に対し、自然と信頼を寄せる状態を生み出すことができます。
一度ブランドを信頼した顧客は自発的に利用を続けるほか、同社の別商品・サービスも購入しやすくなる傾向があります。
その結果、余分な広告費用をかけずに安定した収益を確保でき、広告宣伝費を削減することができるのです。
②競合他社との差別化→価格競争に陥りにくくなる
ブランド独自の世界観やストーリーは、競合他社との差別化を助ける大きな要因となります。
ブランドの独自性を確立することで顧客は単純な価格比較ではなく、ブランドの価値や共感できる体験を重視するようになり、単純な価格競争に巻き込まれにくくなるという効果があります。
③若者市場において拡散されやすくなる
SNSの普及により、若者たちは様々な情報に簡単にアクセスできるようになりました。
広報キャラクターなどの視覚的にインパクトのあるアイデンティティや、メッセージ性の強いコンテンツは若者の間で話題に上る可能性が高く、SNSで拡散される可能性が高まります。
それにより、多くの潜在顧客への自然な認知向上、ブランドのさらなる確立を期待できます。
ブランディングの注意点
ブランディングを考えるうえで、特に気を付けたい3点を解説します。
①リブランディングは慎重に
ブランドイメージを一新するリブランディングは、企業を新たな成長ステージに繋げる機会になり得ますが、一方で今まで培ってきたブランドイメージを一気に壊してしまうリスクも伴います。
入念な市場分析と顧客調査を踏まえ、過度な変化により既存顧客を混乱させることのないよう、時間をかけて慎重に進めましょう。
②ターゲットの反応を無視しない
ブランディングでは、顧客の声や反応を汲み取り改善を重ねる姿勢が欠かせません。
ブランドメッセージがターゲットの求めるものとかけ離れてると、いくら優れたクリエイティブや広告戦略を展開しても効果は半減してしまいます。
顧客満足度調査やSNSでのフィードバックなど常にリアルな声に耳を傾けると、顧客が思いもよらない強みを発見でき、より優れたブランドの確立につながります。
③トレンドの追い過ぎによるブランドブレには要注意
最新のトレンドを追うことは主に若年層への訴求を考えるうえで大切ですが、トレンドに振り回されすぎてブランドの軸がブレることは避けなければなりません。
ブランドの価値や独自性が曖昧になると、顧客は「このブランドは何者なのか」「このブランドは何を伝えたいのか」を理解しにくくなってしまいます。
ブランドの核となる価値観をしっかりと守りながら、トレンドを補完的に取り入れていくことが重要です。
ブランディングにおけるクリエイティブの効果
ブランディング活動を形にするうえで、イラストや動画といったクリエイティブの活用を考える方は増えています。
ここでは、有名IPとのコラボだけでなくサウンドロゴ、企業公式VTuberの登場やアニメCMなど、ブランディングにおけるクリエイティブの効果をご紹介します。
ビジュアルデザインによる影響力
ビジュアルデザインは、ブランドの世界観や価値観を伝えるという意味で、ブランドイメージを形成する強力な要素です。
ロゴ、カラー、フォントなどの視覚的な要素が統一されることで、顧客は瞬時に「あのブランドだ」と認識でき、ブランド認知度を高める・定着させることができます。
また、印象的なビジュアルは記憶に残りやすいので、ファンの獲得から自然なリピートに繋がるという効果も見込めます。
アニメーション・イラストによる幅広い表現
静止画やテキストに比べて、アニメーションやイラストは感情に訴えかける表現力があります。
ありのままを伝えるのが効果的とは限らないブランディングにおいて、アニメーション・イラストの幅広い表現は重要なポイント。
「大変そう」といったネガティブイメージを持たれやすい業種・職種や、説明の難しいBtoB商材など、アニメーション・イラストを用いたコンテンツを活用することで、企業・商品・サービスをより身近に、魅力をよりダイレクトに描写することができます。
アニメーションやイラストによる幅広い表現は、ターゲットとのつながりを強める力があるのです。
音楽・音声によるブランド認知の向上
有名企業でも採用されているサウンドロゴやオリジナルBGM。「あなたとコンビにファミリーマート」「お~いお茶」という文字を見て、特徴的なメロディが浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
これらの音楽・音声は、ビジュアル要素では補完できない「聴覚」からのブランドイメージ強化を期待できます。
特徴的なメロディやジングルは何度も耳にすることで記憶に定着し、ターゲットに自然な愛着を抱かせます。
音声アシスタントやサブスクリプションの普及により、音を活用したブランド認知戦略はますます注目を集めています。
ブランディング×クリエイティブ戦略の効果的な立て方
さまざまなターゲットに効果的なブランディングのクリエイティブ戦略ですが、作ったはいいもののどう活用するのが効果的か迷われる方も多いことと思います。
ここではブランディング×クリエイティブ戦略の効果的な立て方をご紹介します。
①自社およびターゲットの現状分析
効果的なブランディング戦略を立てるためには、まず自社の立ち位置とターゲット層、そして市場環境を正確に理解する基礎分析が必要です。
内部リソースの洗い出しや既存顧客の調査、競合分析などを通じて、自社がどのような強み・弱みを持っているかを把握することが、後のブランド戦略の土台となります。
②ブランドアイデンティティの明確化
ブランドアイデンティティとは、ブランドが何を目指し、どのような価値を提供する存在なのかを明確に示すものです。
自社が社会において果たす役割や、自商品・サービスの市場における存在価値を改めて定義します。
ブランドアイデンティティをもとに最適なクリエイティブ制作を検討することとなりますので、以降のあらゆるブランド表現活動における共通言語の設定段階ともいえるでしょう。
③一貫性のあるビジュアルとメッセージの設定
①の基礎分析と②で設定したブランドアイデンティティをもとに、ロゴやブランドカラーなどのビジュアル要素、キャッチコピーなどのメッセージ要素を統一します。
ターゲットと接するすべてのポイントにおいて一貫性のあるビジュアルとメッセージを展開することで、顧客に安心と信頼を与え、より深い共感を生みます。
【③トレンドの追い過ぎによるブランドブレには要注意】でもご説明したように、一貫性を失うとマイナスブランディングになってしまうので、特にSNSを中心とした多チャンネルでのコミュニケーションが当たり前となった今、一貫性はブランド成功の鍵といえるでしょう。
④ターゲット特性に沿ったコンテンツ制作と展開
ここまで定めてきたブランド要素を表すクリエイティブ制作と、コンテンツ展開に進みます。
まずどんなクリエイティブコンテンツを採用するかを検討するうえで、ターゲットの興味関心や行動パターンを分析し、それに合わせたコンテンツを制作することが重要です。
例えば、SNSでの交流や情報収集が当たり前な若年層をターゲットとする場合、SNSやWEBを主軸とし、トレンド要素を盛り込んだ「バズ」を生む戦略も検討すべきでしょう。
一方60代以上をターゲットとする場合、テンポの良すぎる動画やコントラストの強いデザインは内容を理解してもらう前に離脱される可能性があります。落ち着いたテンポ・デザインかつテレビや実店舗での認知を狙った戦略が必要になるでしょう。
このように、設定したブランドアイデンティティを一貫して守りつつ、ターゲット特性に沿ったコンテンツ制作と展開場所をすり合わせていきます。
⑤ブランディングの効果測定
ブランディング施策が機能しているか判断するには、定期的な効果測定が欠かせません。
ブランディングの効果を測定するためには、KPI(Key Performance Indicator)を設定し、SNSであればインプレッション数など、定期的にデータ分析を行うことが重要です。
顧客アンケート、コンバージョンや売上など様々な指標を測定することで戦略をアップデートし、ブランドをより理想的な方向へと進化させましょう。
ブランディング×クリエイティブの成功事例
ここまでブランディングにクリエイティブを取り入れる効果や戦略の立て方についてご紹介しました。
本項ではブランディング×クリエイティブの成功事例をご紹介します。
ブランド構築事例:スターバックス
スターバックスは「サードプレイス」というコンセプトで、自社を自宅や職場以外の憩いの場と位置づけるブランディングを実現しました。
高品質なコーヒーを提供するだけでなく、温かみのある店舗デザインと統一されたロゴ、カップ、BGMなどがブランドの世界観を演出。
居心地の良い空間を提供することで、顧客に特別な体験を提供しています。
サウンドロゴ事例:マクドナルド
マクドナルドの「I’m lovin’ it」は、「パラッパッパッパー」というメロディとともに世界中で認知されているサウンドロゴです。
キャッチーなフレーズと特徴的で短いメロディは世界共通であり、耳にした瞬間に多くの人がマクドナルドを思い浮かべるまでにブランドを定着させています。
ブランドメッセージと音の融合が、人々の記憶に強く訴えかけた成功例といえるでしょう。
キャラクター事例:ミシュラン
ビバンダム(ミシュランマン)はブランドの長い歴史を背景に、安全性や品質を人格化した「頼れるパートナー」であり、ミシュランガイドのシンボルとしても世界中で親しみと信頼を得ている、キャラクターを用いたブランディング成功事例です。
ミシュランマン登場当初の、車を上流階級の人しか持てなかった時代にはターゲットに似せた姿を模し、時代とともに表情や姿を柔らかく変化させています。
アニメーション事例:大成建設
アニメーションによって短い時間ながら建設プロジェクトの流れを視覚的にわかりやすく表現し、大成建設アニメCMの「同窓会には行けません」のセリフはご存知の方も多いでしょう。
著名監督を起用した美しい描写はもちろんのこと、「地図に残る仕事」というキャッチコピーとともに企業イメージの向上と業界イメージを刷新した事例です。
自社事例:共栄鍛工所
鍛工業の大激戦区「燕・三条エリア」での採用課題を解決した、共栄鍛工所様のブランディング成功事例です。
鍛工業という若者にはイメージが付きづらい鍛工業という業種を拡大解釈し、「ハイクオリティなロボットアニメ」として企業CMを制作。
CMを観た人々から絶賛する声が多数寄せられ、市内での認知率が大幅に向上、応募数前年比2倍という結果となりました。
■制作実績
■関連記事
自社事例:玉屋質店
若年層へのサービス認知度や質屋というサービスイメージの向上に課題を抱えていた、玉屋質店様のブランディング成功事例です。
質屋の「手元の品を質に入れてお金にする」特性を「預けた品を迎えに行く」という概念に置き換え、壮大なファンタジーアニメーションを含むアニメCMを複数制作。
YouTube広告の運用により累計再生数100万回を突破、20代・30代の利用も増え、質の預かりが十数年ぶりに前年度を上回る結果となりました。
■制作実績
TAMAYAアニメCM 玉家質店「託された想い篇」 ほか多数
■関連記事
ブランディング×クリエイティブの課題解決はジーアングルにお任せください
ジーアングルは起業から20年以上にわたり、ゲーム・エンタメ業界を中心とした毎年3,500件以上の課題解決に寄り添ってきました。
お客様の持つ課題のヒアリングから丁寧に行い、ブランディング企画の立案、映像、3DCG、イラスト、音楽、音声収録といったあらゆる制作領域を活かしたクリエイティブ制作から運用まで、最適かつ最大の効果を出すことのできるブランディング×クリエイティブ戦略に伴走します。
クリエイティブを活用したブランディングはぜひジーアングルへご相談ください!
まとめ
ブランディングの定義から、目的やブランディングを行うメリットと注意点、クリエイティブによる成功事例までご紹介しました。
ブランディングは企業の成長に不可欠な要素ですが、綿密な分析と、ブランドをブレさせることのない一貫した戦略が必要など、決して簡単ではない取り組みであることも事実。
そんなブランディングにクリエイティブな手法を取り入れることで、ブランドはより魅力的で記憶に残るものにしてはいかがでしょうか。