演劇や映画・ドラマの世界ではBGMが「劇伴」と呼ばれ、場面の遷移や登場人物の心情などを表現する重要なツールです。
また、アニメ界でも秀逸なBGMを制作する音楽担当者が注目を浴びており、物語の表現に音楽や効果音は欠かせないものでしょう。
そこで今回は、ゲーム制作におけるBGM演出の重要性についてご紹介します。映画やアニメと同様、ドラマ性を帯びている近年のゲームとBGMの関係を一度再確認しましょう。
ゲームにおけるサウンド・BGMの役割は?
家庭用テレビゲーム機が主流だった時代、ゲームのBGMといえば単純な電子音の組み合わせでつくられた、短いフレーズの繰り返しが中心でした。
ただ、その家庭用テレビゲーム機に親しんでいた世代にとっては、単純なBGMの中にも印象に残ったフレーズがあったり、今でもすぐに思い出せたりする、という方も少なくありません。
ゲームのサウンド・BGMが持つ役割は、家庭用テレビゲーム機が主流だった時代も、リアルなストリーム再生が可能になった現在も、ほぼ変わらないものといえます。以下は具体的なゲームにおけるサウンド・BGMの役割です。
【役割1】場面の切り替わりを知らせる
ステージをクリアして次に進むタイミングや、ボーナスステージに突入したときにBGMが変化する現象は、ゲームのジャンルを問わず定番でしょう。
場面の設定や状況に応じて、それを告知する意味合いでサウンドやBGMが利用されています。
【役割2】プレーヤーの選択や行動を知らせる
ゲームプレーヤー自身が次にどのような行動を取るか選択したり、ゲームのレベルを選んだりしたときに、その操作に合わせて効果音が用いられます。
プレーヤーの操作に合わせて音が出ることで、ゲーム内で何らかの行動が起きたことを確実に知らせてくれるのです。
【役割3】チャンスや勝利・クリア時の気分を盛り上げる
ゲームで相手に勝利しステージをクリアしたときや、チャンスをつかんだときに、テンションが上がるサウンドが差し込まれていれば、プレーヤーとしても気分が盛り上がりゲームにより引き込まれるでしょう。
よって、ゲーム中のプレーヤーのマインドを切り替えることにも、BGMが貢献しています。
ゲームサウンド・BGMの具体的な演出効果
ゲームのサウンドやBGMは、実際にどのような使い方がされているのでしょうか。ここでは、ゲームサウンドの具体的な演出効果について、事例とともにご紹介します。
【1】ゲームステージの上昇・下降に合ったBGMを付ける
RPGなどのジャンルで、ゲームのステージが建物の階層のように昇降するケースが多々あります。
日本を代表するRPGシリーズの初回作でも、各ダンジョンへの移動に伴って(この場合はステージが進むにつれ下の階層へ移動)BGMのトーンが下がっていき、「ここまで来たんだな」という実感と緊張感をプレーヤーに与えていました。
【2】時限性のあるゲームのクライマックスを知らせる
タイムアップ(時間切れ)が存在するゲームは、ほとんどのケースで制限時間が近づくとクライマックスを知らせるための効果音が加わったり、BGMのテンポを速めたりしてプレーヤーをあおります。
「早くクリアしなきゃ!」「早くポイントを取らなきゃ!」というハラハラドキドキ感を、BGMによってさらに盛り上げているのです。
【3】特定のゲームをプレイする実感を与える
特定のゲームを頻繁にプレイし続けていたら、「このゲームといえばこのBGM」とすぐに頭に思い浮かぶようになった方もいるのではないでしょうか。
ゲームのBGMが印象的だと頭の中に自然と刷り込まれ、BGMを耳にしただけでゲームの物語にスッと入れる「スイッチ」のような効果をもたらします。
おわりに
ゲーム制作にはストーリーの面白さやキャラクター・画の美しさだけではなく、サウンドやBGMなどのクオリティーも大切です。
ゲームサウンドやBGMは、ゲームの物語性を高めるとともにその世界観へとプレーヤーを引き込み、プレイに集中させる雰囲気づくりにも役立っています。
ゲーム制作に挑む際には、サウンドやBGMにもこだわりを持ってみてはいかがでしょうか。
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