2020年の東京オリンピックに向け、訪日外国人の数は3,000万人を超えるといわれています。
中国からの観光客が急増しており、中国語圏の方に向けた映像を制作する機会も今後ますます増えていくことが予想されるでしょう。
今回は、そんな映像制作をするにあたり、中国語のナレーションを依頼する場合の留意点や注意点などについてご紹介します。
中国語のナレーション需要の高まり
日本政府観光局が発表している訪日外国人の統計データによると、2014年までは国別で最も多かったのは韓国からの観光客でした。
しかし、2015年以降は中国からの観光客がトップとなり、台湾・香港の中国圏も含めると、2016年では訪日外国人の半数を占めるまでになってきています。
その点をふまえると、中国語を母国語にする方々に向けた、中国語のナレーション入り映像の需要は、今後ますます高まっていくことが予想されます。
中国語をネイティブに翻訳してもらうメリット
中国語に限ったことではありませんが、ナレーションとして話す原稿、字幕として入れる文章などは、中国語のネイティブの方に翻訳してもらうことをおすすめします。
海外旅行を経験したことがある方ならば、海外の観光案内や施設の表記など、少し不思議な日本語で書かれた案内を目にした経験があるのではないでしょうか。
また、明らかに海外の企業が運営する日本語のWebサイトなども、間違った日本語の使い方をしている場合があります。
これは日本にもいえることで、教科書などに書かれている言い回しであっても、ネイティブがみると、間違ったフレーズや違和感のある表現はたくさんあり、現状では翻訳ソフトが追いついていないことが多くあります。
また、中国語には四声(しせい)という、中古漢語の調類に基づいて4種類に分類された声調があります。
例えば「ま(MA)」にも4種類の発音があり、音の上げ下げの調子が変わると、「お母さん」、「麻」、「馬」、「叱る」と全く違う意味になってしまいます。
そのため、中国語圏の方向けの映像を制作する場合は、この四声の発音の使い分けがとても重要になります。
情報を発信する側として間違った内容を伝えないためにも、翻訳をはじめ、特にナレーションはなるべくネイティブに依頼をするようにしましょう。
翻訳やナレーションの質を高めることで、伝えたい情報をよりしっかりと伝えられるほか、企業やブランドとしての価値も上がり、信頼性も高まることが最大のメリットといえます。
中国語のナレーションの依頼をする際の注意点は?
中国語のナレーションの依頼をする際の最も重要な点は、必ず「中国語の標準語を話せるネイティブにナレーションを依頼する」ということです。
日本にもその土地ごとに方言があるため、標準語の発音がうまくできない方も多くいます。
そのため「正しい標準語」の発音で問題なく話せる方というのは、全国的にみると実はそんなに多く存在しません。
一方で、多くの日本人は海外の方に対し「その国のネイティブ=標準語を話す方」だと認識しているケースが散見されますが、海外も日本と同様に、ナレーションに適した標準語を話せる人というのは限られているのです。
中国にいたっては、首都北京で使用される北京語と呼ばれる中国語は、上海やマカオのような広東語圏内では全く通用しないといわれています。
つまり、同じ中国語でも北京語と広東語は全く別の言語であり“中国語”とひとくくりにはできないのです。
そのような点をふまえ、多くの中国人が理解できる「標準語」を理解し、その発音ができるナレーターかどうかということが、中国語のナレーションを依頼する上で最も重要であるといえます。
おわりに
海外は言語だけでなく、その背景にある文化が日本とは全く異なります。
日本語をそのままその国の言葉に変換しても、文化的な背景が異なれば、意図している通りには伝わらない可能性があります。
中国語圏の方々にしっかりと情報を伝えるためにも、文化や背景を理解し、正しい発音で話せるネイティブの方に翻訳やナレーションを依頼するようにしましょう。
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