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ゲームサウンド実装を悩ます「ループ問題」について’19新卒がまとめてみた。〜後編〜

ループ問題 ~後編~

こんにちは!サウンドチーム新人の藤井です!今年の春に音楽の専門学校を卒業しまして、新卒生としてサウンドチームの一員として働いています!

皆さんが抱える「ループ問題」のお悩み解決方法を、僕がサウンドチームの先輩に教わったことを備忘録としてまとめる記事《後編》です!

前編がまだの方はこちらから!

前回は「ファイル丸ごとループ」についてまとめさせていただきました。
今回は「イントロ付きループ」について早速まとめていきますので、よろしくお願いいたします!

目次

「イントロ付きループ」のメリット・デメリット

「イントロ付きループ」は、図のように音声データにループポイントを設定し、”そのポイントの間だけループさせる”という方法ですね。

僕はWindows版「SoundForge」でループ情報を書き込んでいます。

書き込んだループ情報を認識可能な「Wwise」などのサウンドミドルウェアや、または「Unreal Engine」などのゲームエンジンにこの音声データを読み込ませると、設定したポイント間でのみループするようになります!

①繰り返し部分の残響を含めてのループが可能に!

「イントロ付きループ」は、BGMや効果音の構成を無視して、任意のポイントで音声をループさせることが可能になるので、「ファイル丸ごとループ」のデメリットであった「ループの不自然さ」を解消することができます!

実際に、とあるBGM(1ループ20小節・60秒ほどの楽曲)で、「ファイル丸ごとループ」と「イントロ付きループ」を実践したので、それぞれ見ていきましょう!

ファイル丸ごとループ

  • ファイル書き出し箇所
    └「残響」が含まれるように書き出してから、21小節目1拍目から40小節4拍目(2ループ目)までぴったりを再度書き出す。 ※詳しくは「前編」で!
  • ループ箇所
    └40小節4拍目から21小節目1拍目にループ

イントロ付きループ

  • ファイル書き出し箇所楽曲頭から、70秒くらいまでざっくりと
  • ループ箇所
    └1巡目の残響が完全に消える任意の箇所(マーカー「1」)から、その箇所と同一の波形の箇所(マーカー「2」)にループ

このように、同じループ楽曲と言ってもデータの作り方や仕様は結構な違いがあります!

「イントロ付きループ」では、“波形が完全一致する任意の箇所にポイントを打つ”ため、ループの繋ぎ目が絶対にバレません。

とっても自然で綺麗なループを実現することが可能なのです!

②楽曲表現の幅が広がり、ゲーム演出もより豊かになる!

「イントロ付きループ」を用いれば、楽曲にイントロをつけることが可能になります。

楽曲表現の幅と同時にゲーム演出の幅も広がるので、イントロ付き楽曲1つに「ジングル+BGM」のような役割を持たせることも可能になってきますよね。

音声ファイルの最初と最後の整合性を気にする必要がなくなったので、これで僕もリバースシンバルから始まるループBGMを心置きなく作ることが出来ます!

「イントロ付きループ」の備忘録

メリットデメリット
自然で綺麗なループを実現できる。
楽曲や効果音の表現の幅が広がる。
ゲームエンジンによっては使用できない。

前編・後編に分けて2つのループ方法を比べてみましたが、いかがでしたでしょうか?

僕たちサウンドチームは、ゲームクオリティやユーザーさんたちのゲーム継続率に大きく貢献出来るような、品質の高いサウンド制作に拘っております。
なので、より音の表現が豊かになる「イントロ付きループ」での実装を各社様に提案させていただきます!

どのゲームエンジンでどのように実装されるかヒアリングさせていただいた上で、BGMや効果音の仕様提案からループポイントの設定まで対応させていただきますので、ゲームサウンドのクオリティに拘りたい方は、ぜひぜひ弊社サウンドチームにご相談くださいね!

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