さまざまなゲームアプリにおいて、背景はその作品の世界観を表現する大切な部分です。
そのため、ゲームのテーマやジャンルによって、依頼時の注意点も変わります。
今回は、ジャンルごとに見合った背景制作、3DCGによる背景制作のメリットや外注する際の注意点などをご紹介します。
テーマやジャンルに合わせた背景を
テーマに沿った背景を制作することによって、プレイヤーにどのような影響を与えられるでしょうか。
そして、ジャンルによって背景制作に必要な要素は大きく変わります。以下では、ジャンルによる違いを3つご紹介します。
【例1】パズル
ストーリーを進めながらパズルを解き、敵を倒していくゲームアプリでは、マップやステージごとの背景に、プレイヤーを世界観に引き込むデザインが使用されています。
また、「洞窟の中を奥へ進んでいる」という雰囲気を演出するために、背景の奥(中央部分)を暗くする手法も効果的です。
グラフィックの美麗さが大きなポイントであるソシャゲやゲームアプリにおいて、本編のエフェクトだけでは差別化しにくい部分を、背景の作り込みで補っています。
【例2】アクション・シューティング
スマホのスペック向上により、2Dの横スクロールや縦スクロールのアクションであっても、背景は3Dのアニメーション、あるいはリアルタイムレンダリングを使用しているケースがあります。
展開が早く操作もシンプルなソーシャルゲームのアクションでは、背景で世界観やステージの変化を表現することが大切です。そのため、3Dの背景を取り入れる傾向があると考えられます。
【例3】ロールプレイング
剣と魔法など、いわゆるファンタジーな世界観が多いRPGでは、イラスト風の背景が好まれています。
例えば、2Dキャラクターの作品で2DCGの1枚絵が背景に用いられているケースはよく見かけますし、キャラクター自体は3Dでもトゥーンレンダリングにより、背景の2Dと違和感なく組み合わされているゲームアプリも存在しています。
また、RPGは容量が多くなりがちのため、2DCGの1枚絵を背景に使用したほうが容量も軽くなるでしょう。
3DCGの利点とは?
例えばRPGの場合、同じ背景で時間経過や天候の変化を表現するとき、2DCGでは塗りなどを変えた差分を何枚も用意しなければなりません。
しかし、3DCGであれば同じモデリングの使いまわしも可能な上、光源を変えるだけで時間や天候の表現が容易にできます。
これは制作に掛かる時間の短縮にもつながります。
また、3DCGはリアルタイムで動かせるため、戦闘シーンの演出の幅やグラフィックの美しさにも貢献してくれます。
依頼する際の注意点
3DCGのモデリングは、2Dのようにイラストレーター1人で制作するわけにはいかない分、それ相応の費用が掛かります。
もちろん、個人で制作している方の中には安く請け負う方もいらっしゃいます。
しかし契約に関するトラブルが多いことも事実で、できるだけ実績のある制作会社に依頼したほうが賢明です。
複数の制作会社に見積もりを出してもらい、こちらの要望通りに進められるかどうかの精査も行ってください。
ほかにも、予算や納期だけではなく、発注する点数やローポリハイポリについても打ち合わせする必要があります。
また、背景とキャラクターのタッチがずれると違和感が出るため、イメージやイラスト、実際のモデル写真などの資料をできる限り提示しましょう。
制作会社によっては、アートワークから相談可能なケースもありますし、シナリオや企画書を提示し見積もり時に相談するという方法もおすすめです。
おわりに
今回は、3DCGによる背景制作のメリットや、外注する際の注意点などをご紹介しました。
制作するゲームアプリのジャンルや世界観によって、求められるものが異なるため、必ずしも3DCGにこだわる必要はないでしょう。
しかし、3DCGは戦闘シーンの演出クオリティーや、立体感など絵の美しさを出したいときには最適な方法といえます。
ゲームアプリ自体のグレードをアップさせるためにも、ぜひ検討してはいかがでしょうか。