3DCGは現在ゲームやアニメーション、テレビなどの説明動画などで目にする機会が多くなっています。映画などでも90年代中期以降から積極的に使用されていました。
そんな3DCGについて、
発注しようとしたら実際どれくらいの費用がかかるのか?
海外と日本企業ではどのくらい差があるのか?
メリット・デメリットはどんなことが考えられるのか?
などをご紹介していきます。
平均して3DCGの費用はどの程度かかるのか
映像費用は基本的に「人数」×「日数」で見積もりを取る場合が多いでしょう。
同じ秒数でも中身をどれだけ凝るかによってCGの発注費用は変わってきます。
CGの制作は「モデリング」、「テクスチャーマッピング」、「ライティング」、「アニメーション」、「レンダリング」という工程が必要です。
その中で制作時間と費用の大半を占めるのは3次元で形を作る「モデリング」という作業です。
このモデリングにかかる時間が変わってくるため、どの程度のクオリティーのものを発注するのか、ということで費用も大きく異なるでしょう。
モデリング費用の目安は、小さな置物等であれば1モデルあたり4万~8万円、人物キャラクターや機械等の場合は1モデルあたり10万〜50万といわれています。
日本と海外企業の費用の違い
3DCG映像を発注する際に、日本企業を選択する他に海外企業に発注するという方法もあります。
海外にCG映像を発注するとどの程度費用に違いが出るのでしょうか。
3DCG動画の費用
日本企業の相場は1人月あたり、60万から90万円ほどです。
秒数によって価格が変わるようなものではないため、依頼するボリュームが大きいからといって心配する必要はありません。
しかしあくまで相場であり、CG制作は中身により作業時間や工数が大きく異なってきます。
海外企業の相場は、1人月あたり15万から45万円程度と日本企業よりも安く制作することができます。
これは雇用にかかる経費が安く、コストを抑えられるからです。
静止画の費用
日本企業の場合は静止画で2,500円~5,000円程度だとされています。
こちらも制作を担当する人数や、どれだけの質のものを発注するかによって費用は変わります。
海外企業で安価に受注を行っているのは中国、タイ、ベトナムの企業ですが3DCG制作を行っている企業は技術の関係で限られています。
3DCG静止画の制作費用は企業によって違いが大きく、Webサイトに掲載されている会社は多くありません。問い合わせがほぼ必須となります。
ただ、動画が日本企業の3分の1程度の費用で受注していることから、海外の企業に依頼した際は、静止画も3分の1程度だと考えられます。
海外企業に発注する際のメリット・デメリット
メリットについて
海外企業の3DCGを発注するメリットとして一番に考えられるのはコストを削減できる点です。
海外で制作すると雇用にかかる経費が安く、日本よりも費用を抑えることができます。
依頼した会社にもよりますが、おおむね日本の3分の1程度の費用で済む所が多いようです。
しかし、昨今では中国・韓国企業の価格が上昇傾向にあり、価格としてのメリットは薄れてきているのも現状です。
費用が上がっている反面、日本企業と比較しても見劣りしないクオリティーが高い3DCGを納品してもらえることが、メリットに変わりつつあります。
例えばタイなどは2000年代からハリウッドにも映像を納品するコンテンツビジネス企業が多くあり、成功をおさめています。
またアニメーション制作に国をあげて力を入れており、「タイアニメーション・CG協会(TACGA)」が2006年に設立され、100近い企業や団体が加盟しています。
デメリットについて
3DCGを発注する際には細かい指示が必要となります。そのため、現地の言葉に堪能な人材か通訳が必要となる場合があります。
また映像によって日本独自の文化や風習を前提にしたものも考えられるため、そのディティールを伝えづらい場合もあります。
そして国によってはインターネット回線が遅い場合や時差の問題で、発注のやり取りに遅延が生じる場合も考えられます。
依頼した企業や内容にもよりますが、日本よりも納品に時間がかかることも少なくないようです。
■ 日本での一般的な納期についてはこちらの記事でまとめています
おわりに
3DCGを発注する際の、日本企業と海外企業の違いをご紹介しました。
海外企業に発注する場合はコストダウンが見込めますが、意思の疎通などが難しい場合や、納品に時間がかかってしまう場合もあります。
CGの制作費用や求めるクオリティー、納期などに応じて日本と海外のどちらの企業に依頼するか決めてはいかがでしょうか。